発掘した遺物 組立図編 (4)

・発掘した遺物　組立図編　(4)

マルサンの1/100のYAK-9Pだ。これも50円のシリーズだ。

記憶では、マルサンの1/100の50円のシリーズを買ったのは、これが最後だった。
友人の家に行って、何人か集まって、みんなてんでに未組み立てキットを持ってきて作った。
わたしは、完成するのが遅いほうだった。ある友人は、あっというまに作って、暇をもてあましぎみだった。
それで、わたしの組立が終わりに近づいたときに、組立図も持って、あっというまに穴を開けた。
あっと思った。「やめて」という時間もなかった。泣きたくなった。組立図は、いままでの分は保管してあったので、これも保管する気だった。
彼は、作ったら、組立図も箱もいらないと、すぐに捨てる人だった。
それで、ぎゃーぎゃーさわいでいると、彼の父親がやってきて、ひとのものを勝手に破るとはなにごとだと、叱ったが、単に叱っただけだった。
穴の開いていない、組立図が出てくるわけでもなかった。

あえて、名前を明らかにする気はないし、いまさらだしね。
書くとすれば、破いた彼は、その後、同じ中学、同じ高校と進んだが、その後は友人として付き合うことはなかった。
彼は、高校までは、成績優秀で、大学進学を考えていたはずだが、進学したのやら、その後どういう進路となったのか、ちらっと聞いた覚えがあるが、記憶には残らなかった。覚えているのは、高校卒業後に女性関係で、いろいろと問題を起こした話を聞いたことだ。内容までは、詳しく覚えていない。
それで、いまでも彼をうらみに思っていますか? そうかもしれません。たわいもないことでしたけれど。

これも、いちおう裏面をあげておこう。

「ヤコブレフ」って、呼んでいたけど、ソビエトにも、戦闘機を作る技術はあったのだなと、小学校一年ながら、思ったことを思い出した。
「こいつ、強いの?弱いの?」それすらもわからなかった。

(次の遺物につづく)


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