八幡原飛行場業務日誌

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発掘した遺物 組立図編 (9)

・発掘した遺物 組立図編 (9)

一光模型の零式艦上戦闘機52型

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この文章を書く前に、「一光模型」をwebで検索してみた。
たいしたものだ、いくつかヒットした。書いている皆様がいるのですね。
ただ、この「ゼロ戦」についての情報は見つからなかった。
しょうがないね。

この「ゼロ戦」は、小学生時代に作ったプラモデルでも、結構記憶に残っているものだ。

小学校一年だったか、二年だったか、そこがはっきりとはしないが、とにかくクリスマスのサンタさんのプレゼントなのだ。
まだサンタさんを信じていたような、信じているフリをしなくてはならないような、微妙な時期だった。
朝枕もとにあったクリスマスプレゼント仕様の包み紙に入っていたものは、ゼロ戦のプラモデルだった。
つまりこれだ。
近所の模型屋で見たことの無いもので、どこで買ったのやらという感じだった。
高そうだった。たぶん200円コースかな。モーターも入っていたので、300円コースだったかもしれない。
画像をわかりにくくしているので、理解できないと思うが、複雑な作りをしている。
この複雑さが最大の特徴であり、かつまた最大の欠点だったと思う。
欲張りすぎとさえ思う。
モーターは、ふつうの飛行機モデルと同様にプロペラを回す。
プロペラを回すだけだったら、「普通」でしかないが、まあ、当時モーターは価格が高いので、簡単には買えなかった事を考えれば、プロペラをモーターで回すこと自体贅沢だったのだが。
これは、欲張って、そのモーターで、火花を出そうとしていた。
ライターの着火原理で、火花を発生する「石」と、こすり合わせる、紙やすりのようなもので、機首のカウリング部から、バリバリと火花を出そうという作りだ。
だいたい、ちゃんと動作することを確認して製品化したのだろうか。
モーターの位置と、火花の「石」の寸法出しが難しい。なにしろ、モーターの回転がダイレクトなので、回転速度が速いだけで、トルクが無いものだから、ガリガリと引っかかせようとすると、抵抗が大きくてモーターが回らない。
隙間をあけると、プロペラは回るが、「空振り」しているので、火花は出ない。
今の大人の頭で考えれば、モーター部分を前後させるレバーをつけて、火花が飛ばなくて、プロペラだけが回るモードと、レバーを動かすと、少しづつ、「石」に近づいて、火花を飛ばす絶妙な位置にできるはずだ。
それを、あらかじめ、「決め打ち」で、火花がうまく飛ぶ位置に固定させようというのだから、できるわけがない。
結局は、小学校低学年の手には負えず、火花を飛ばす仕様は、あきらめとなった。
親は、「こんなものも作れないのか」と、さげすんだ言葉をはいた。
それも含めて、忘れることが出来ない。
悪い思い出の、外側だけ完成したゼロ戦は、そのあと、ほとんど触ることも無く、いつどこでどうなったのか、末路については記憶が無い。
そのあとも一光模型のものは、見た記憶が無い。あまりたくさん製品化しなかったのか、この田舎町には、あんまり入荷しなかったのか、さっぱりわからない。

(次の遺物につづく)


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