八幡原飛行場業務日誌

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古いデカールを使うには

若いころに買いこんで、作っていないキットが多数ある
30年から40年前のキットであり、単に今のものと違うのは
金型設計の問題だけでなく、デカールがひとつの問題だ

30年以上前のキットは、いくつか作ったが、Matchboxは、ひたすら厚くて
硬いので、曲面になじまないという問題はあるが、とりあえずは貼り付けられる
しかし、ハセガワとRevell/Gunzeを使ったところ、当初は薄い良いデカールなのが
災いして、柔軟性が無い薄いデカールと変質してしまって、貼り付けようとすると
割れてきて、ひどいときには粉みじんになってしまった

いかにそーっと台紙からずらしても、割れるときがあり、割れたものをなんとかしようとすると
よけいにぐちゃぐちゃになってしまうということもあった

これからも、30年以上前のキットを作るうえでは、このデカール問題をなんとかしないと
いまさら、別売のデカールを探して新たに買うのはたいへんだ

ネットを検索したら、いくつか対応策がヒットした
部材を購入して実験してみた

実験キットは、途中作りで放置していたRevell/Gunde 1/72 P-39Q だ
簡単な一度目の塗装までされていて、30年以上放置されていた
塗装は、キット指定ではなく、イギリス向けに生産された、イギリス空軍塗装だが
納入前にキャンセルされて、アメリカ陸軍に納入されて、塗装はイギリス向けのまま
国籍マークのみ変更された機体にしようとしたものだ
しかし、デカールの実験のため、キット指定の、塗装に変更した しょうがない

デカールをなんとかするための部材はこれだ

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左から
Microscale のLiquid Deacl Film
タミヤのつや出しニス
タミヤのつや消しニス

Liquid Deacl Film は、ネット通販で購入した
なかなか在庫のあるところが無くて、探した
インストラクションは、Microscale のwebページに存在したが
たいした内容は書いていない。しかも、webページのインストラクションには
30分乾燥させてから...と書いてあるのに、ビン自体には15分乾燥させて...
と、書いてあるので、なにを信じてよいのやら?
それと、ハケはついていないので、自分で準備することになるのだが
筆洗いをなにでやるのかわからないし、だいいち、溶剤が蒸発してきたら
なにで薄めるのかも記載が無い
自分の鼻をたよりに、クンクンとかいでみたら、アルコール臭がする
持っている、エチルアルコールと、イソプロピルアルコールの匂いをかいで
比較してみたが、どうも断言ができない
推測すると、エチルアルコールと、イソプロピルアルコールの混合で、
エチルアルコールが多いのでは感じる
まあ、蒸発して濃くなったら実験しながらやることにして
筆洗いは、ツールウォッシュなどでいけそうだ

なお、タミヤのニスは水性ということで、水性アクリルと同じ溶剤が指定してあるので
こちらは、たぶん中身は、水性アルカリに近いと思われる

デカールに塗布してみた
Liquid Deacl Film をメインということで、
タミヤのニスは、ひとつづつ塗布してみた

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わかりにくいが
右上の大きな国籍マークがつや出しニスで、ふたにハケがついているので
それで塗布したら、ボテッと厚塗りとなってしまった
右二段目の小さい国籍マークには、つや消しニスを塗布したが
厚塗りとなったためか、一部白濁したようになっている
ちょっと問題だ

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塗布するときに、縁までぎりぎりに塗布ではなくて、はみ出すくらいで塗布したので
マークをデザインナイフで切り出した
まあ、ふつうやっていることで、べつに今回が特殊なわけでは無いが

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上面の大きな国籍マークはLiquid Deacl Filmを塗布したもので
わずかに、縁が欠けたようになった部分があるものの、使用には問題なかった
なお、完全に乾燥前に撮影したので、まだツヤが見えるのだが...

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下面の大きな国籍マークは、つや出しニスを塗布したもので
これも、当初厚塗りかなと気になったが、実際の使用では問題なかった
まあ、つやがあるので、乾燥後にオーバーコートしないといけないのだが

なお、写真は載せないが、つや消しニスも問題なく貼り付けられたが
白濁部分が、やはり白っぽく残った

問題は、ちがう部分にあった
このデカールが経年変化で、水に入れても「浮かない...はがれない...」になったのか
Liquid Deacl Film を塗布すると、「浮かない...はがれない...」になってしまうのか
わからないのだが、30分以上かかっても、はがれないものがでてしまった
いらいらして、ちょっと力を入れると、はがれていない部分で割れてくる

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この写真のように、短気を起こすと、割れてしまう

さて、どうしたものか
Liquid Deacl Film は、合格点と思うが
水ではがれにくいデカールの場合は、厚塗りのタミヤのつや出しニスのほうが
頑丈になって、割れにくいかもしれない

今回実験しなかったが
Liquid Deacl Film のインストラクションには、「薄く塗る」と書いてあるが
あえて、何度か塗って、厚塗りにすると、どうなるのだろう

これ以上の、おためしの実験は、実際のキットではなくて
過去に使わなかったデカール在庫を実験材料にしたほうがいいだろう

問題点は
古いデカールは、実際に、水につけてみないと、劣化の具合がわからない
いくつかあって、使わないマークのあるキットは、使わない部分で、事前に実験できるが
一種類のマークしかないものは、実験できないので、とにかくなにかを塗布するしかない
それが問題だろう


それとは別に、デカールに頼らずに、手書きできるマークは、手書きしたほうが
いいのは、あたりまえの話なのだがね