八幡原飛行場業務日誌

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復活!モデラーへの道 (7)

○むかしの状況 「なぜかプラモデルふたたび中学一年」編

小学校5年の時に知り合ったY君は、おもに、戦車を作っていたのですが、飛行機も好きでした。
Y君は小学校5、6年生の時に、田宮の1/35の戦車の話をしてくれましたが、自分としては、とくに興味を持っていませんでした。

中学校1年で、偶然にも、部活でYくんと一緒になりました。
話すチャンスが増えると、なんとなくプラモデルの興味が沸いてきます。
そんな時、家の近くの模型店で、ボヤ騒ぎがありました。消火のために放水した水が、商品としてのプラモデルにもかかったものがあり、箱が水でボロボロになりました。
その、ボロボロのものを、半額処分するというのです。
見に行ってみました。もちろん、何年かぶりに模型店でプラモデルのパッケージを見るのですから、浦島太郎のような状態です。
見るものすべてが新鮮でした。
Revellという会社の名前は、まったく知りませんでした。アメリカのメーカーと教えてもらいました。グンゼ産業というところが、日本向けとして、販売しているということを知りました。本格的なスケールモデルを目にして、びっくりしました。
半額処分の山の中で、Revellの1/32シリーズが、気にいってしまいました。500円のところ半額で250円でした。
「やっぱりゼロ戦でしょう」ということで、零戦52型を買ってきました。
のちに、Revell の零戦は、零戦としては、出来が悪いキットと知りますが、当時は、とてもすばらしいものだと思いました。
なにしろ、カウリングの中のエンジンが再現されているなんて、びっくりでした。

プラモデルは、塗装するものだというのは、自分としては、言ってみればカルチャーショックです。
小学校の頃に、近所の子で、プレゼントとして、塗料と筆がセットになった、デラックスなプラモデルのキットをもらった子がいました。
そのキットを作るところをみせてもらいました。
組み立ててから、何色だったか忘れましたが、5色程度の小さいビンがついている塗料を塗装しました。
水彩絵の具とはまったくちがうものということはわかりました。
塗装されたプラモデルは特に感動はありませんでした。結局は、その子の作ったもののできが、まったくひどかったのです。
ただ、塗装するという行為は、存在するという程度の話でした。

さて、今度は、自分が塗装するということになりました。
友人のY君は塗装するのが当然ということで話していますので、もはや塗装しないでは、プラモデルを作るという行為には入らないという感じでした。
それでは、ちゃんと塗装するしかありませんし、塗装したほうがすばらしい仕上がりになるのは、いうまでもありません。
しかし、塗装するにも、何も持っていません。美術の授業で使う水彩絵の具では、塗装はできないのはわかっています。
Revellの零戦の組み立て図を見ると、細かく色の指定があります。これもびっくりしました。以前作った時代の組み立て図とは、まったく別次元です。
「何色か塗料を買わなくちゃいけないんだ」。お店に行ってみると、マルサンの「プラカラー」と、Revellの「レベルカラー」が並んでいました。
マルサンは、すでに倒産していて、「プラカラー」は、在庫で残っているだけだそうです。
それでは、「レベルカラー」に統一したほうが良いだろうということで、見てみました。
レベルカラーは一本50円です。当時のお小遣いからすれば、50円は高いもので、組み立て説明に載っている、すべての色は、いちどに買えそうにありません。
表から見える部分だけに絞って、買うことにしました。
記憶をたどると、上面用の、濃緑色、下面用の灰白色、そして、カウリング用の
つや消しの黒、それからエンジン用に黒鉄色を買いました。
でも、後に、カウリングが、つや消し黒とちがって
すこし青みがかっていると知り、それを知った時もびっくりしました。
つまり、コックピット内部を塗装する気はなかったのですね。
1/32という大型のもので、内部も再現してあるのに、いきなりのこの大スケールですから、どうすべきなのか、理解していなかったのですね。

さて、Revellの零戦は、1週間くらいでできました。なにしろ、小学校低学年並の技量ですから、組み立てて、塗装を簡単にするだけですから、すぐにできるわけです。
あとで見ると、ひどいものですが、大きさに救われて、そこそこに見えていました。
塗装をすれば、それなりに見栄えがするということがわかりました。
その出来上がりが、うまいのか、へたなのかということは、頭に無く、ただ、楽しかったという覚えがあります。
面白くなってきました。次は何を作ろうかと考えました。でも、お小遣いはあまりありません。

つづく